個人史と東アジア

辰巳さん歴史+

7日(金)、日々ボランティアでお手伝いしてくださっている、80歳のある支援者の方から、貴重なお話を伺いました。

安倍総理の靖国神社参拝や歴史認識をめぐって、日本は、近隣諸国だけでなく国際社会からも孤立化しかねない深刻な状況が続いています。そんななか、こうして個人史をお聞きすると、あらためて、日本とアジアの国々の決して切り離すことのできない歴史の重みや、戦後平和を築いてきた先人たちの努力の大きさに思いを深めました。

この写真は、ソウルにある「龍山公立中学校」の同窓名簿と記念写真です。

記念写真の左側は、1930年当時の校舎。右側は、2000年の校舎。
1930年といえば、韓国は日本の植民地支配下にありましたから、日本が設立した中学校です。今でも、韓国の中学校として使われている2000年の写真が現在のもの。

これを、先日、韓国の卒業生数名で来日して同窓会に出席し手渡されたそうです。昨今、歴史認識をめぐって日本と韓国の外交関係が冷え切っているなか、民間でなにかできないかと後輩にあたる韓国の現役世代の方々が思いをめぐらし、自分を訪ねてきたことに感銘を受けたと話してくださいました。

満州時代の丹東で生まれ、父親の税関勤めの関係で植民地下のピョンヤンへ移り、その後、ソウルで青年時代を過ごされました。東アジアがご自身の幼少年期・青年期の場所であり、特別の思いをもたれているのは当然とはいえ、こうした貴重な個人史の連なりのなかに戦後の私たちの現在があることを、あらためて、学びます。こうした方々は、国内に大勢いらっしゃる。同じように、韓国側にも中国側にも、こうした個人史の連なりがあるはずです。

国益をめぐって国家はぶつかりあうのが政治の世界ですが、最大の国益は「平和」であると、私は思います。地域の安全保障上の懸念にきっちり共同で対処するためにも、戦後に築かれてきた国際社会の枠組みのうえに立って、日本は、尊敬と信頼される東アジア外交を展開してほしいと思います。

 

 

 

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