日本のこころ

奥墓 奥墓3

29日は、小林秀雄の旧邸で学ぶ「池田塾」の仲間とともに、初めて松阪を訪ねました。小林秀雄が命をかけた作品『本居宣長』は足かけ12年の歳月をかけて書かれたものですが、昨年一読しただけでは、まだまだわかりません。その原点ともいえる、宣長さんのお墓を吉田悦之館長 (本居宣長記念館)に案内していただく貴重な機会でした。小林秀雄作品の冒頭には、宣長の図解入り「遺言書」が出てきます。

日本のことば、日本人、日本のこころ。

政治が国家主義的になりつつあったり、社会が排外主義的になるような不安定なときだからこそ、もう一度、本来の日本文化のおおらかさをとらえ直したいと私は思ってきました。また、先の見えない世界で国際社会とわたりあうにも、日本の独創的な文化や古えからつづく歴史にいろいろな学びがあると思っています。

 くすり箱 吉田悦之館長

記念館の特別閲覧室は、まさに、宣長さんの「頭脳」。国学者のかたわら、医者であった宣長さんの仕事道具である「くすりばこ」。重さがあります。

古事記伝  特別資料室3

古事記伝の原物、紫文要領から玉の小櫛への書き換えの原物など、一切の手抜きのない細やかな美しい記述に思わず息をのみました。(すべて重要文化財。特別申込で閲覧可能だそうです。)

「古事記は、声の文化。それは、女性の文化なんです」
日本の歴史をたどると、源流には女性の文化があるという館長の言葉は、とくに印象的でした。いまの社会が歪んでいるとすれば何が欠けているのか考えるヒントにもなります。

やまと魂、やまと心。
雄々しく響く言葉ですが、じつは、どちらの言葉も初めて現れるのは、はかなさや日常生活をうたった女性歌人であることを小林秀雄も作品に書かれていて私には大きな発見でした。やまと魂は「源氏物語」の紫式部が乙女の巻で、やまと心は「後拾遺和歌集」の赤染衛門 (女性)の歌に初見されるそうです。

温故知新。
時代が不安定で変化するときに、目先の対処法ではなく、ことば、こころをたずねて未来を見据えていきたいと思います。

 特別資料室2+ 内宮

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